東電総合特別事業計画原案の骨子
①原子力損害賠償支援機構が東電に対し1兆円を出資(増資引き受け)
②銀行団が1兆円を追加融資(融資枠を含む)
③東電は取締役会の中に社外取締役が過半数を占める委員会を設置する委員会設置会社へ移行し、社内カンパニー制を導入
④2014年3月期に税引き後利益を黒字化し、5年後(2017)年3月期に公的管理から自己資本比10%を超え社債再発行を目指す
①の増資引き受けは現実には、6月の株主総会で株式を発行できる枠を広げた後に実施されるだろうし、②の銀行団の追加融資にしても電気料金の値上げが前提になってくる。③の委員会設置会社に関しては2月10日にMBS毎日放送と讀賣新聞のみが伝えている。④の2014年3月期には税引き後利益が黒字・・・
まったく戯けた話であろうか。
特に④の「2014年3月期には税引き後利益が黒字」云々の話にはさすがに恐れ入った。
昨年(12月)には、このような記事まで出ている。→PDF
「総合特別事業計画」は東京電力という会社の経営そのもののあり方を決める最も重要な報告書であるのは理解できる。しかし、その中でも電気料金の値上げという売上及び利益に直結する商品(電力)の価格を利用者である国民の存在を無視をした状態で決められたので「待った」がかかるのは当然であろうか。
ようは、電気料金の値上げが決定できなければ、総合特別事業計画の原案そのものが絵に描いた餅になってしまうのである。
1月26日の毎日新聞のwebのは次のようの書かれている。
「賠償などの公的資金の返済は、最終利益を計上する14年3月期から開始。」これは、公的資金を返済をすると言いながら「増資の引き受け」であり、原子力損害賠償支援機構の主な業務は原子力事業者が損害賠償を実施する上で機構の援助を必要とするときは、機構は、運営委員会の議決を経て、「資金援助 (資金の交付、株式の引受け、融資、社債の購入等)を行う」とある。
つまり、交付であって貸付金ではない。また、社債の購入(引き受け)であるから東電には、国への債務が残らない可能性さえある。
確かに、電力の安定供給という「供給責任」が東電にはある。また、電気利用者には「自由に電気を使える(料金さえ払えば)」という権利もある。
いまさら、福島の原発事故がどうのこうのいう心算もない。しかし、「自分のケツくらいは自分でふきやがれ」と東電には言いたい。
京都新聞には「東電の純資産は3月末に7千億円弱まで減る見通しだ。資産を売っても借金を返せない「債務超過」が目前に迫っている。」と書かれている。
10日に支援が決定していたならば、やはり「特別利益」に上手に紛れ込ましたのだろうか?
疑ったらキリは無いのだが、東京新聞から下記のような記事が出ている。
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「新生東電」支援の前提 枝野氏 6900億円援助に条件
枝野幸男経済産業相は十日の閣議後の会見で、東京電力が福島第一原発事故の賠償金支払いのため政府の原子力損害賠償支援機構に申請した六千九百億円の追加資金援助は「決算対策のお金ではない」と述べ、十四日が期限となる東電の二〇一一年四~十二月期決算前の認定に、こだわらない考えを示した。
支援申請が経産相に認定されない場合、東電は債務超過ぎりぎりの状態に陥るが、経産相は「まず東電が主体的に考えること」と突き放した。その上で認定は「『新生・東電』に生まれ変わる決意を明確に示すことが条件だが、まったく示せていないというのが今の評価だ」と述べた。
追加申請は、賠償の対象に自主避難者が加わり、賠償額が膨らんだため。東電が昨年末、経産相が所管する支援機構に申請した。
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11日の朝日新聞のweb
「東電国有化―ゴネ得を許すな」
福島第一原発の事故で経営難におちいった東京電力の国有化をめぐり、激しい駆け引きが繰り広げられている。
焦点は、国費の注入で国がどこまで経営権を握るかだ。
政府の窓口として東電に賠償資金を支援している「原子力損害賠償支援機構」は、議決権を支配できる3分の2以上の株式取得を主張している。
これに対し、東電は「国が拒否権を使える3分の1まで」と抵抗しているという。
おかしな話だ。
賠償や廃炉でお金が必要なのは、東電のほうである。巨額の費用を自力でひねり出す力がない。それどころか、本来ならとっくに破綻(はたん)している財務状況にある。
国の支援は、賠償金の支払いや事故処理が滞ったり、電力供給に支障をきたしたりしないための措置だ。東電を助けるためではない。そうでなければ、納税者は納得しまい。
死に体となった企業なのに、なぜ勝手なことを言うことが許されているのか。
まだある。
資本注入額と想定されている1兆円は、できるだけ国費の投入を抑えつつ、現在の東電の株価に照らして株式の3分の2を取得できる水準を考えて算出されている。
「3分の1まで」というからには、金額も半分でいいのかと思えば、そこは「1兆円が必要だ」ということらしい。
これでは、ゴネ得もいいところではないか。
そもそものボタンのかけ違えは、早い段階で東電を実質破綻企業と断じて、公的管理下に置かなかったことにある。
確かに、現行の原子力損害賠償法や破産法制の枠組みのもとでは、難しい面もあった。
だが、そこに乗じて東電処理に反対したのが、財政負担を避けたい財務省だ。融資の焦げ付きを恐れて、救済を画策した主力銀行と思惑が一致した。この「呉越同舟」二者が今回も水面下で動いているという。
繰り返すが、東電には自力で賠償や廃炉費用をまかなう能力はない。破綻処理が筋だ。存続させたところで問題の先送りにすぎない。
東電を温存すれば、満足に投資ができない不健全な企業が居座ることになる。電力市場への新たな事業者の参入による経済の活性化や雇用創出を妨げる。
「金を出す以上、口を出すのは当たり前」(枝野経済産業相)である。3分の2以上の株式が握れないのなら、税金投入をやめるべきだ。
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しかし、当初発電と送電部門を分離する案も検討されたらしいのだが、結局は東電の重要な資産である発電部門を切り放すような抜本的な改革案は、将来の収益が見通せないとして銀行側が難色を示した模様である。銀行団が1兆円の融資を人質に取った形で腰砕けになったと言うことなのだろう。
まったく、くだらない話である。
by unimaro
まったく、くだらない話