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漆間と拉致問題

2009/11/03 19:42

 

  産経の記事では、漆間を「麻生内閣の戦犯の1人」としている。

 

西松事件での「自民党には捜査は及ばない」との発言から「国策捜査」ではないかという印象を与えた結果、総選挙にも影響を及ぼし自民党が惨敗した原因の一端であると位置づけたいのであろうか。
 
であるならば、戦犯の一人であることは間違いはないのだが、マスコミも戦犯ということであり、偏向報道をしたとマスコミが認めたということである。
 
まずは、先にお断りをしておく。拉致問題は早々に解決をしなければならないことであり、北朝鮮の行った「日本人を拉致」をしたという行為は、許しがたい行為ではあるが、その解決のためには、北朝鮮との国交正常化もひとつの方法であることは間違いない。
 
過去に、警察官僚から官房副長官まで昇りつめたのは、田中角栄内閣での後藤田正晴や後任の川島廣守がいる。1976に退任をした川島廣守以来漆間は32年ぶり年ぶりの警察官僚からの抜擢となっている。
 
そもそも漆間が脚光を浴びたのは、拉致問題からである。安倍政権時に警察庁長官であり、安倍が官房副長官として抜擢すると言われていたのだが、政権を放り投げたことから実現がしなかった。安倍の推挙があり警察庁長官退任後、約一年経って麻生政権の官房副長官に抜擢されたのである。
 
漆間が警視庁長官に就任をしたのは、第1次小泉改造内閣の寸前となる。この時期に漆間がどのようなことを行っていたのか。一水会の月刊レコンキスタから拾い上げてみた。なお、一水会最高顧問鈴木邦男氏は家族会元副代表の蓮池透氏とも対談を行っており、現状の膠着した「拉致問題」解決法に疑問を呈している。
 
では、なぜにここまで「拉致問題」が膠着をしてしまったのか。
一水会の月刊レコンキスタに書かれている事例からも読み取れる。もちろん、犯罪行為があればきちんと捜査する事に異議を唱えないとしながら次のように書かれている。
 
まずは、事実に基づかない捜査、あるいは事実を相当に誇張、歪曲した捜査が横行したとしている。全国の警察で政治的、恣意的な捜査が連発され、ターゲットにされていたのは朝鮮総連、及び北朝鮮であったとしている。
 
事例をあげているので、その中から何例かあげてみよう。いずれも、漆間が警察庁長官だった時代の話である。
 
平成18年(2006)、東京在住の在日朝鮮人のおばあさんが薬事法違反に問われた事件。
持ち出しが禁じられている薬品を万景峰号北朝鮮に持っていこうとした事件として大々的にマスコミでも取り上げられ、警視庁公安部が、総連の東京本部などを大々的に強制捜査している。
これは、このおばあさんがピョンヤンにいる親戚に点滴薬などを持って行こうとした。ところが、薬事法が改正された後であり、持ち出しができなかったという。結果、おばあさんはすぐに諦めて送り返しただけの話だという。
 
同年、大阪の在日朝鮮人男性による車庫飛ばし事件である。犯罪は犯罪であるが、これを理由に滋賀県の朝鮮人学校にガザ入れが行われ、保護者名簿まで押収。車庫飛ばしという犯罪捜査で、朝鮮学校にまでガサを行うのは、いかに公安捜査といえど少々やりすぎではないだろうか。
 
平成19年(2007)、札幌、神戸で朝鮮商工会に税理士法違反による摘発が行われている。これは厳密には犯罪と問われかねない案件ではある。税務当局と商工会(在日系企業の窓口となって税金を納める)はある意味 「協力関係」 にある。ゆえに現実には、税務署が商工会に表彰状を出した事もあった。
ところが長年の 「慣行」 として続いていた行為がある時突然、税理士法違反として摘発されてしまう。類似の行為をやっている団体は商工会以外にもあることを知りながら、在日系商工会をターゲットにしている。
 
ようは、「相手(北朝鮮)が困る事件を摘発することが拉致事件解決につながる」 との考えは、同時に「外交圧力のために警察権を行使する」と言っているに等し。つまり 「政治警察宣言」 と言うことである。
 
では、官房副長官に就任してからはどうかということになる。言わずと知れた西松問題が起き、挙句には「自民党にまで捜査は及ばない」との発言になる。
 
ところが警察リークに基づいてメディアは大々的に報じ、憶測記事が山の様に量産されたのである。しかし、北朝鮮の問題の実態は先述の通りであり、警察は書類送検はしたのが、起訴もできずに幕引きで終わっている。その当時の新聞の社説には 「ミサイル開発に関係ある」 や「個人的犯罪である訳がない。国家ぐるみの犯罪だ」と書かれている。もし、時間がある方は一度図書館で調べてみるといい。マスコミが如何に憶測とリークで記事を書いているのかが分かり愕然とするであろう。
 
自民党の内閣が描く政治・外交日程に合わせて警察が動いてたのも事実であり、実際に、平成18年に通称名しか分からない北朝鮮の女性工作員の逮捕状を取った時に、記者会見で漆間自身が次のように語っている。
 
北朝鮮が六ケ国協議に復帰する以上、日本が拉致を忘れていないというメッセージだ」。
つまり、「政治的メッセージ」を送るために逮捕状を取ったと警察トップが明言していることになる。これを国内の事案で考えたら、「政敵は逮捕をし、マスコミにはリーク情報だけを流し、新聞・テレビでバンバン流しそして書かせる」と明言をしているのである。
 
警察にとって最大限の権力行使である、「逮捕という行為」それを政治的 「メッセージのため」 に行うのである。
警察OBの言葉として「たしかに、警察と政治が無縁だった事など今まで一度もないが、警察と政治が取るべき距離はおのずとある」との言葉もある。その意味で漆間は逸脱をした人間であったということであろう。
 
現実の話として、警察幹部にこの頃の様子を聞いてみた結果、北朝鮮がらみの事件を徹底的に掘り起こせと警察庁からハッパがかかり、これに基づいて政治的な捜査が頻発した」という。つまり「北朝鮮への圧力を担うのが警察だ」 と警察の本義を忘れるような事を言い放ち、実行してしまう人間が、安倍のお気に入りであったということである。
 
つまり、六ケ国協議やASEAN首脳会議にからんだ時期などに集中して強引な捜査や事件が起きていることになるのである。警察の捜査は、あくまでも 「法と事実」 に基づいて行われるものであることは、冷静に考えたら当然分かることであるのだが、漆間は分からなかったのだろうか。
 
これは北朝鮮に限った話ではない。この事は忘れてはならないということである。
簡単に言えば野党に下野をした自民党に対しその牙を向け、地検・公安・警察が動いたならば、今の自民党は消し飛んでしまうということである。
 
麻生政権は成立当初から 「選挙管理内閣」 とされている。当初は、所信表明の後すぐに解散総選挙を行うとさえ言われていた。漆間と麻生内閣は2008年9月24日という同日に任についてついている。これは、選挙になった時、警察官僚出身の官房副長官がいれば、民主党に対する牽制とスキャンダル探しにもなるし、また選挙関係の情報も入ってくるという手法である。つまり、細川内閣を追い詰めた、亀井静香と野中拡務の手法を真似たに過ぎない。
 
西松事件で小沢氏を代表から引きずりおろしたのであるが、民主党は、小沢氏と鳩山氏の踏ん張りで政権交代をなしえた。これは、小沢氏の土壇場での駆け引きで民主党は生き延びたのである。しかし今の自民党に小沢氏ほどの知恵者はいない。また不幸なことに、野中拡務は妖怪(妖怪)といわれながらも引退をしていることと、亀井静香は、小沢氏と連立政権を組む仲である
 
警察が政治と密着して動くと、ターゲットにされた先は些細な事でも引っ掛けられてしまうという明確な事案である。政権が変わった今、警察・公安・地検を解体しろというわけではない。が大いなる自覚を持って改革をして欲しいのである。
 
日本の警察は、戦前・戦中の警察が中央集権的な機構の下で暴走した反省の上に立ち、公安委員会制度を導入しる。同時に中央省庁でも警察庁だけは唯一、トップを政治家ではなく官僚が勤める事になっている。これは、政治家個人の意向で動かないということでもある。そして警察庁は国家公安委員会の管理に服さなければならないと定められている。つまりは、内閣の意向に服すということでもある。
 
あくまでも 「法と事実」 に基づいて捜査・逮捕が行われなければならないものだとしたならば、小泉政権下以降麻生内閣まで「法と事実」に基づいた捜査・逮捕が行われたのか疑わしくなってしまう。厳密に言えば、逆に法に触れる可能性もあるのだが、追求は無理であろう。
 
余談として、昨年末の麻生が漆間に「北朝鮮との対話ルートを探れ」 という指示を出したことが書かれていた。漆間さんは内調 (内閣情報調査室) を使って朝鮮総連に打診をしたそうである。
総連は「ふざけるな」と言って突っぱねたというのである。
 
公安OBでさえ、「あれだけ過去のでたらめな捜査でいじめられた当事者に「対話を」 と言われても応じる訳がないでしょう」と苦笑をしたようである。
 
イザ!に書かれた「戦犯」という意味を官邸が機能しなかったという部分で考えるとあながち嘘ではないことは確かではあるのだが、これは麻生政権迷走という部分で考えた場合である。しかし、忘れないで欲しいのは、誰が漆間を推挙をしたかである。これは安倍である。ようは、安部も麻生も人を見る目がなかったということである。
 
事務担当の官房副長官は霞ヶ関官僚トップの地位である。本来であるならば、事務担当の官房副長官が省庁間の調整を行い、首相に対してアドバイスを行わなくてはいけないのである。その点を同じ警察官僚出身で官房副長官を務めた後藤田正晴や川島廣守と比べたら、両氏に失礼に当たるだろう。官邸が全然機能していな状態に陥ったという部分で考えれば、「戦犯」ということになる。しかし、これも安部も麻生も人を見る目がなかったという事実の積み上げでしかない。
 
安倍の言う通りに、政権の意向に沿った政治的で恣意的な捜査を行った漆間を可愛がり最後は、官房副長官までのぼりつめさせたのは、誰を隠そう安倍本人である。結果「拉致問題」が何ゆえに進展しなかったのかを冷静に考えた場合、どうしても、安倍と漆間に行き着いてしまう。
 
「拉致問題」に関してもう一点忘れてはいけない問題がある。それは、安倍政権時に官邸に立ち上げられた組織に「拉致問題対策本部」 の存在である。本部長は首相、事務局長は漆間官房副長官、中山恭子拉致問題特別補佐官という陣容である。人員は四十人程で、外務、法務、文化、国税、公安調査庁、内閣調査室などからなる寄合い所帯であったそうである。
 
日朝交渉の展望が見えない状態で、年間に6億円の予算であるが、人権週間に「必ず救い出す」 というメッセージを各新聞に広告として出したり、宣伝用のトラックを製作(200万円程度)いて街の中を走らせるというものである。拉致をされた方が北朝鮮にいるのであるのだから北朝鮮を走らせるのであるなら、わかるのだが、日本の街中を走らせて、被害者が返ってくると思っていたのだろうか。まぁ~、「拉致を忘れない」という点での効果はあったとしても、いささか..............である。
 
この件に関しても、蓮池透氏は「そんなものに金を使うなら、帰ってきた家族のケアに使って欲しいし、もっと本気になって交渉ルートを探って欲しい」と。
 
「拉致問題は完全に膠着状態になっているから、その中で政府が一生懸命やっているとアピールできるのは拉致被害者家族や国民に対してできるのは広報活動しかない」ということからのようで、あきれるというか、情けないとしか言いようがない。
 
(現在、平成18年9月29日の閣議決定により設置された拉致問題対策本部は、廃止され同名であるが別組織となっている)
 
また、思えばロッキード事件も東京地検が、米国の意思によって、三木が田中角栄氏を逮捕をさせ、中曽根を不問に付したというのが、事実だとされる流れになっていて、ここ数年マスコミの人間の口からはよく漏れてくる。つまり、地検・公安・警察はいつでも政治的な動きをしてきたということであろうか。
 
最後に、現在服役中である元大阪高検幹部であった三井環氏が、獄中から次のようなメッセージを発している。
 
公安調査庁の廃止と調査活動費予算の全廃
 
同庁は昭和27年破壊活動防止法の施工に伴い法務省外局として新設され、日本共産党、過激派団体、朝鮮総連などの暴力主義的破壊活動を行う団体を調査し、場合によっては団体規制請求するのが任務である。ところが日本共産党を調査するのは論外とし、過激派団体の衰退などから平成5年頃廃止論が政府関係者から浮上した。これに対し公調は組織の生き残りをかけ「公安動向一般」についても調査することにし、部署を再編するなどした結果、定員や予算の削減をするに止めて廃止されることはなかった。それは私が高松地検次席検事当時であった。
 
私は約8年間公安担当を経験したが都道府県警察の警備、公安部門のみの情報で充分であって、その情報量と質は公調と対比すると完全に同庁は見劣りするのである。もはや公調の存続される理由は如何なる角度から見てもないのである。
 
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しかし、大和ハウスに顧問として復帰ですか。普通に考えれば、奈良や大阪の関西圏は、在日の方も多く住んでいる。そこの会社の顧問となると、「おい、大丈夫かい」という話になる。ところが、どうもこれには、裏がありそうである。あくまでも、一部の情報で確証はない話であるが、この大和ハウスにイオングループのデベロッパー事業をしているロック開発株式会社の伝で、岡田に救いを求めたというか、逃げ込んだのではないかという見方である。
 
もしこれが事実であるならば、小沢氏の怒りの凄まじさもわかろう。また、漆間が意図を持って西松事件を操ったとみられても致し方ないということである。
 
漆間を顧問に据えたことで、大和ハウスに対するイメージを考えた場合さてさて、プラスなのかマイナス?
 
「麻生内閣の戦犯の1人」漆間ちゃっかり“天下り
2009/11/02 18:53
 
 麻生太郎内閣で事務の官房副長官を務めた元警察庁長官、漆間巌氏(64)が先月月初め、大手住宅総合メーカー「大和ハウス工業」(本社・大阪市)の顧問に就任した。官僚の天下り規制に反対するなど、「麻生内閣の寿命を縮めた戦犯の1人」といわれた御仁だが、自分はさっさと“天下り”を決めていたようだ。
 
 俳優、役所広司が「大和ハウチュ」と言ってしまう、なんともおかしなCMで知られる同社。漆間氏は10月1日付で顧問に就任。リスク管理などのアドバイスをしているという。
 
 漆間氏は昨年9月、麻生内閣発足時に官房副長官に抜擢された。同職に警察OBが就くのは32年ぶり。小泉、安倍内閣時代、北朝鮮による日本人拉致問題に取り組んだ姿勢が評価されただけでなく、「民主党関連のスキャンダル調査が目的だった」(永田町関係者)という見方もある。
 
 ただ、副長官として本来果たすべき各省庁間の連絡・調整機能はほぼ停止状態に。一方で、天下り規制を含む公務員制度改革に介入したり、西松事件では「自民党議員には波及しない」とオフレコで発言して、政府・検察不信を招いた。
 
 総選挙での自民党惨敗を受け、鳩山内閣が発足した9月16日付で官房副長官を辞任していた。
 
 今回の顧問就任について、大和ハウス工業の広報担当者は「漆間氏が奈良県警本部長時代に、わが社のトップと面識ができ、その後も親交があった。そういう縁で昨年4月から、副長官になられる9月まで顧問を務められた。(副長官を)辞められたので、また復帰していただいた」と語り、「天下りではありません」と説明。ただ、顧問料などは教えてもらえなかった。
 
 
 
 

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